記念品の支給や旅行、観劇への招待費用の負担に代えて現金、商品券などを支給する場合には、その全額(商品券の場合は券面額)が給与として課税される。
また、本人が自由に記念品を選択できる場合にも、その記念品の価額が給与として課税される。さらに、旅行券は一般的に有効期限もなく、換金性もあり、実質的に金銭を支給したことと同様になるので、原則として給与等として課税される。
しかし、課税されない要件がある。
1)旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内であること
2)旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含む)であること3)旅行券の支給を受けた者がその旅行券を使用して旅行を実施した場合には、所定の報告書に必要事項(旅行実施者の所属・氏名・旅行日・旅行先・旅行者等への支払額)を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して会社へ提出すること。
4)旅行券の支給を受けた者が、その旅行券の支給後1年以内に旅行の全部又は一部を使用しなかった場合には、その使用しなかった旅行券は会社に返還すること
上記の要件を満たしている場合は、給与等として課税しなくても差し支えないとされている。
また、この場合の旅行券は商品券の贈答とは異なり、会社で使用する切手と同じと考えればいい。切手も厳密には買ったときには非課税取引であって、使ったときに課税仕入になるのだが、それでは実務上不便なので買ったときに課税仕入にすることが認められている。
この場合の旅行券も、上記の要件をクリアして、給与扱いにならないものであれば、切手と同様に自ら使用するものになるので、継続適用を条件として、その旅行券を取得した日に課税仕入とすることが認められている。
税務会計情報一部抜粋
Y.M
2015.08.18