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就職困難者を雇用した際に支給される特定求職者雇用開発助成金は、各種助成金の中でも企業でもっとも多く活用されているものの一つに数えられますが、10月1日以降に対象となる労働者を雇い入れる場合に、その支給要件が変更となります。そこで今回は、この内容についてとり上げましょう。

1.追加となる離職割合要件
今回、支給要件として離職割合要件が追加され、以下の2つの要件が設けられます。これらのどちらかに該当する場合は、新たに雇い入れる対象労働者についてこの助成金を受けることができなくなります。

①雇い入れ1年後の離職割合が50%を超えていること
②助成対象期間終了1年後の離職割合が50%を超えていること

 まず①の要件は、過去にこの助成金の支給決定の対象となった労働者について、新たに雇い入れる対象労働者の雇い入れ日の前後6ヶ月間内に、雇い入れ日から起算して1年を経過する日(=確認日A)がある者が5名以上いる場合で、その確認日A時点での離職割合が50%を超えていることです。具体例を示すと以下のようになります。

[対象労働者を平成27年10月1日に雇い入れた場合]

 上記の場合、5名の労働者のうち、確認日Aの時点で4名が離職していることから、離職割合が80%(4名÷5名)となります。そのため、新たに雇い入れる対象労働者についてこの助成金を受けることはできません。

 次に②の要件は、過去にこの助成金の支給決定の対象となった労働者について、新たに雇い入れる対象労働者の雇い入れ日の前後6ヶ月間内に、助成対象期間※1の末日の翌日から起算して1年を経過する日(=確認日B)※2がある者が5名以上いる場合で、その確認日B時点での離職割合が50%を超えている場合になります。

※1 助成対象期間の途中で離職した場合も、雇い入れ時に定められた助成対象期間。
※2 助成対象期間が3年の者の場合は、確認日Bを「助成対象期間の末日の翌日」とする。

 この②についても先の①と同様に細かな要件が設けられていますので、厚生労働省から出されているリーフレット等に目を通しておきたいものです。

2.注意事項
今回の離職割合要件の「離職」には自己都合退職など理由を問わず、原則すべての離職が含まれることになっています。ただし、対象労働者の死亡、天災その他やむを得ない理由によって事業の継続が不可能となったことによる解雇、同一事業所に継続して2年以上雇用され、かつ65歳以上の年齢で離職した者などは除かれます。

 また、この助成金のほかに「高年齢者雇用開発特別奨励金」、「被災者雇用開発助成金」のいずれかで離職割合要件に該当する場合は、新たに雇い入れる対象労働者についてこの3つの助成金を受けることができなくなります。活用にあたっては事前に内容を確認しておきましょう。

 N.M

 

2015.09.28